年頭の挨拶
東京都退職校長会会長 多田 丈夫
明けましておめでとうございます。今年も皆さんと共に新春を迎えられたことを心から喜んでおります。
さて、「最善の一手」と会則改正に着手して早一年半。今、〈新しき酒は新しき革袋に盛れ〉の喩のように、令和2年も改革の火を絶やさず、迫る諸課題に着実な成果を挙げていく。変化の中の未来を信じ、半歩先を見据え、会員・支部長会とワンチームで組織再編の道を全力で開拓していく。
〇「現職校長会」を全面的支援
去る8月、五校種の現職校長会幹部との教育懇談会を開催した。喫緊の課題は、新学習指導要領への対応、働き方改革の推進、教育界への優秀な人材確保に集約された。踏ん張る現職校長会と強固なスクラムを組み、諸課題解決への全面的支援を誓い、本会との信頼の絆を強めた。
〇興奮する「会員研修会」
第二回会員研修会は熱気に溢れていた。趣味に生き、青年のように振る舞う講師のお二人は、〈一芸の士は皆語るべし〉を体現していた。研修テーマの「絵手紙づくり」と「写真を楽しむ」のご指導に参加者は興奮。講師の人間力は、傾聴に足る影響を与える存在だった。研修会は「ロマン」を追求し、会員の心を揺さぶる幸せの空間でもあった。
〇挑戦する「研究指定校」
東京都指定の「プログラミング教育推進校」の研究発表会を拝聴した。スパコンで1万年かかる特殊な計算を3分20秒でこなす「量子コンピューター時代」が来るという。やがて、この難解な研究が社会の姿を一変させ、教育界をも揺るがす。さて、全ての学校に導入される複雑なプログラミング教育。これから各学校の学習環境がどう整えられ、導く学校・教師陣はどんな立ち位置にいるのか。深い議論を望みたい。
〇「スポーツの高潔性」を学ぶ
東京オリンピックの前哨戦のラグビー・ワールドカップ東京大会に国民は興奮した。戦いを終え「ノー・サイド」に象徴されるラグビー哲学を皆で共有した。さらに、大会は多様性の統一に生き、「スポーツのもつ高潔性」を存分に発信した。この先、この新たな哲学が日本のスポーツ界全体に根付くことを強く期待したい。
〇この頃思うこと
ありえない、人間の成せる業か」と叫びたくなる残忍で悲惨なニュースに心を痛める。この病む社会現象に、「雀の学校」と「めだかの学校」の教育論が再燃する。明解を模索し、今こそ社会と人間の在り方を総合的に学ぶ「人間関係学」を教育の中心に据えるべきだと呟く。矢のように過ぎる日々。ある会員から「焦らず、慌てず、諦めず」のお言葉をいただいた。(02.1.15)
会長挨拶
令和元年度 定期総会挨拶
会長 多田 丈夫
ここに、第66回定期総会を開催しましたところ、お忙しい中、東京都教育委員会教育監 宇田 剛(たけし)様をはじめ、多数のご来賓にご臨席賜り、誠に有難うございます。皆様には平素から本会の諸事業にご指導・ご支援いただき厚く御礼申し上げます。また、春と秋の叙勲、米寿・喜寿の栄誉に輝いた先生方、誠におめでとうございます。どうか、これからもお元気で生き甲斐つくりに力を尽くされることをご期待しております。
去る5月1日、厳かに新しい年、令和元年が幕を開けました。皇居には天皇・皇后の即位を祝う一般参賀に14万2千人が訪れたとのことでした。我々は、新たな令和の時代に夢を託し、共に豊かに生き、平和を希求していきたいと思います。今、日本は大きな時代の転換点に立っています。歴史が語る狩猟、農耕、工業、情報化社会の4つの社会から、AI技術の進歩で人工知能が人間を支配するだろう「ソサエティ5.0の時代」の到来が叫ばれています。しかし、どんなに時代が変わろうと求められる力は、教育の質の向上にあると考えます。また、最近、東京都が策定した〈校長・副校長・及び教員としての資質向上に関する指標〉も関心事であります。国際都市東京の教育の将来像に鋭い眼差しを向けていきたいと思います。さて、東京オリ・パラは一年余に迫ってきました。着々と準備が進み、高揚感の高まる開催都市東京が28年度から実践しているオリンピック教育の(オリ・パラの精神、スポーツ、文化、環境)の4つのテーマと(学ぶ、観る、する、支える)の4つのアクションブランの多様な教育の成果に期待しているところです。話題は変わりますが、昨年の総会で会員資格を現職校長に付与した「全員加入」への会則改正は、歴史的快挙でした。思い起こすと組織への関心の希薄さや会員の激減に対し「現状は崖っぷちに立っている」とのある支部長の訴えが「全員加入決断」へのヒントでした。一年が経ち嬉しいニュースを皆様にお届けします。5/1時点で57名の入会届がありました。これは、昨年の1年間の合計を5月で超えたことになります。新しい会則は、確かな歩みを始めています。我々は、さらに、会員一人一人のマインド(固定観念)を変え、精神の改革に力を注ぎ会員増強への一本道をさらに走り続けます。〈為せばなる為さねばならぬ何事も、ならぬは人のなさぬなりけり〉との言葉は有名です。江戸時代後期、借金だらけの米沢藩を立て直した第9代藩主の上杉鷹山(ようざん)が家臣に教訓として与えた歌です。鷹山は、改革に必要ならば,例え、重臣であっても処罰するという厳しい態度で自分にも他人にも律してきたと言われます。我々は、これらの教訓を飲み込み、共に手を携え全員加入に向かいます。さて、今年も本部は多忙を極めます。まず、総会後の5/28に「第四回教育フォーラム東京・2019」を開催いたします。「新しい会則の意味する全員加入への道を考える」をテーマにご苦労された会員とトコトン話し合いたいと思います。私は今、「蟻の思いも天に届く」の心境です。この危機を救い、支部間の共通理解,共通行動の誓いの場になればこの上ない喜びであります。結びに、「老いてますます壮んなり」と言います。本年も会員の皆様がよき仲間と共に豊かな時を刻み、組織の死活問題にブレーキをかけ、さらに、東京都退職校長会の存在感を高めたいと思います。支部総会を期に支部長交代もあります。ご苦労様でした。今後ともご参会の皆様方とのWIN・WINの関係を堅持し、一層のご指導、ご鞭撻をお願い申し上げ、総会の挨拶とさせていただきます。有り難うございました。(令和元年5月13日)
※令和2年度の総会延期に伴い、令和元年度の挨拶を掲載中
令和元年度 事業計画
(Ⅰ) 活動方針
本年度は、60年ぶりに全面改正された本会会則の〈実行元年〉の年と位置付ける。まずは、本部と支部が一体と
なって東京都退職校長会の存在感を高め、未来に繋がる組織力強化という一本道に向かってスクラムを組み、全会員
が足並みを揃えた〈飛躍の年〉とする。そのためには、各校種の現職校長会との連携に力を入れ、本部に設置された
プロジェクトチームを司令塔に会員増強の成果が実る最善の環境づくりに努める。本部は、今年度のスローガンに、
「Step Up System」-組織の発展をめざそう-を掲げ、人口減少や高齢化の渦中にあっても校長退職
者の全員加入を目指しつつ、支部間の結束を固め、教育の普遍性を堅持しながら、心豊かな生き方のできる第二の居
場所づくりに貢献する。そのために、次の3つの具体的な方針を掲げる。
(1) 改正された会則の理解と本会の組織力に期待し、運命共同体たる各校種の現職校長会との絆を強めながら、会員
の増強と伸びゆく退職校長会づくりに全力を尽くす。
(2) 本会がめざす「親睦と互助」・「生涯学習の推進」・「教育支援活動」の一層の充実を期し、本部と支部が一体
となって、魅力ある支部活動の紹介・推進・発展を支援する。
(3) 都教委との委託事業の促進を図ると共に、各事業の透明性に配慮し、各支部間の横断的な協力関係を促進しなが
ら、各関係諸団体との連携を強化する。
(Ⅱ) スローガン 「Step Up System」-組織の発展をめざそう-
(Ⅲ) 活動の重点
〇新しい会則の条件に即した校長退職者の全員加入を目標に、入会促進の環境を整える。
〇各種会議、委員会活動の活性化と効果的な運営に努め、責任ある体制作りに努める。
〇財政の健全化を目標に、各事業の見直しをすると共に、常に適正な予算執行に努める。
〇会員の親睦と互助に寄与すると共に、生涯学習の場と健康づくりの拡充に努める。
〇会報やHPの充実を図り、会員相互の情報を共有し、本部と支部との絆を一層強める。
〇教育フォーラムを充実させ、生きる力となる会員の研修・修養の場を企画する。
〇会員増強推進プロジェクト・チームを核に会員増強の一元的な取り組みに努める。
〇都教育庁委託事業を受け入れ、会員の才知と豊富な経験を活かし、その期待に応える。
〇教育関係諸機関・諸団体との連携を図り、伸び行く本会の充実と発展に努める。
Ⅳ) 各部・委員会の目標・事業計画 (6部8業務)
(1)総務部・・・・・・(庶務部門と会計部門を置く)
①庶務担当部
〇本会の綱領や活動方針を踏まえ、業務の円滑な運営・管理・保管の任を負うと共に年間計画の立案・管理をは
じめ各部、各組織間の連絡、調整等に努める。
〇総会、評議員会、支部長会、運営委員会等の業務の運営進行の任に当たる。また、五団体との教育懇談会の企
画・立案・運営の任を負う。
〇全連退関係の調査・連絡の任に当たり、1都9県の関ブロ関係業務の調整に努める。
〇42支部の情報収集に努め、本会の諸課題に関する連絡・調整に努める。
〇会員名簿の発行及び退職予定者、退職者で未加入者の情報を的確に提供し、入会促進に努める。
〇その他、部に関与する事項。
②会計担当部
〇本会の会計面の一括管理・執行を担当すると共に、財政の健全化に努力する。
〇別に定める「予算編成の基本原則」に則した予算編成と執行計画を立案する。
〇各部、委員会等への支払い業務を行い、諸事業の円滑な運営ができるようにする。
〇会員減少に伴う収入減により、適正な予算執行に努め、支出の抑制に努める。
〇その他、部に関する事項。
(2)企画調整部
〇東京都教育委員会との委託事業を推進の任を負い、「人材バンク受託事業運営特別委員会」の業務・運営推進
・管理を担当する。
〇東京都教育委員会幹部との懇談会、及び教育フォーラムの企画・運営を行い、総務部と連携して各部間の連絡
・調整を図る。
〇各部で実施する事業の具体的な内容把握に努め、円滑な進行のための連絡調整を行う。
〇各部が提案する資料の把握・物品管理等に努め、諸会合が円滑にいくよう連絡調整に資する。
〇その他、部に関与する事項。
(3)広報部・・・・・・(会報部とHP担当部を置く)
〇別に定める「会報誌発行の基本原則」に即して発行計画を立て、年4回の会報を発行する。発行予定は、7月、
10月、1月、4月とする。
〇本会の活動状況と的確な支部会員の情報を把握し、「分かりやすい、より魅力のある会報誌」の発行や適時・
適切な「HPの充実」を図り、広報活動の活性化を目指す。
〇会報及びHP等の編集及び校正作業を行い、編集全般の責任を負う。発行に当たっては、正副会長会及び事務
局長と緊密な連携を図る。
〇各都道府県及び支部からの会報・情報誌の管理・保管に努めると共に、有用な情報を本会の会議に提供する。
〇その他、部に関与する事項。
(4)福利厚生部
〇叙勲、米寿等の長寿者に関する支部情報の的確な把握に努め、併せて慶祝等の情報の収集、整理、保管の任を
負う。
〇別に定める「慶祝等に関する内規」に沿って、会員の慶弔に関する事務を処理する。
〇毎年10月に実施される「東京都教職員物故者追悼式」での「追悼の言葉」の遺族代表候補者を7月上旬までに
選定し(東京都教職員互助会)に推挙する任務を負う。
〇各支部との連携を密に、長寿会員、功労会員、栄誉会員の正確な把握に努め、総会時の名簿に掲載する責任を
負う。
〇新年会及び総会後に実施される懇親会の企画、推進の任を負う。
〇年金、高齢者医療、介護等の福利厚生に関する情報提供に資する。
〇その他、部に関与する事項。
(5)生涯学習部
〇各支部の生涯学習活動に関する情報収集に努め、年2回の魅力ある会員研修会を企画、運営すると共に、会員
のニーズに応える研修活動の創意工夫をする。
〇年2回のクラブ委員長会を運営し、活動状況、クラブ会員の把握等に努め、創意工夫して各クラブ活動の活性
化に努める。
〇各支部及び 居住する地域で活躍する会員の情報を集め、会報誌等への掲載に尽力する。
(6)業務推進本部
〇会員増強推進プロジェクト・チームとの運営・調整に当たる。
〇会員増強に関する情報の収集・業務・管理を担当する。
〇5団体の現職校長会及び42の支部長会等との会員増強に関する情報提供及び連携の任に係る。
〇その他、会員増強に関する事項。
(7)委員会関係
①「会員増強推進プロジェクト・チーム」
〇改正された会則等の周知に努め、当分の間、会則等の一部改正の素案作りや検討の任に当たる。
〇校種別の現職校長会との関係強化の任に当たり、本部との連絡・調整の業務を行う。
〇会員増強の推進に関する情報収集の任に当たり、効果的な方策の立案に資すると共に本部業務を補完する。
〇委員会関係の業務及び任務等については、別途定める。
②「人材バンク受託事業運営特別委員会」
〇委員会は、企画調整部と連携して都教育庁受託事業「平成31年度教育庁人材バンク事業運営に伴う相談・普及
・広報等業務委託」のすべての任を負う。
〇委員会の業務は、東京都教育委員会との契約書及び仕様書により執り行われる。
〇委員会関係の業務及び任務等については、別途定める。
(8)教育関係機関・団体との連携
〇東京都教育委員会との懇談会を毎年に開催し、教育課題に応える教育支援を推進する。
〇東京都国公立幼稚園・子ども園長会、公立校長会4団体との教育懇談会等を開催し、各校種間の校長会との連
携強化に努める。
〇全国連合退職校長会との連携強化に努めるとともに、一都9県の関東甲信越地区退職校長会との情報交換を密に
し、資料提供及び連携強化に努める。
(9)都教育庁受託事業
① 都教育庁人材バンク受託事業
〇「平成31年度人材バンク事業運営に伴う相談・普及広報等の業務」については、本会が東京都教育委員会より
事業受託し、仕様書により本委員会の委員長を中心に事業推進の任に当たる。また、同事業の費用弁償につい
ては、契約書に基づき別途処理する。
(10)事務局の業務・管理体制
新しい事務局長の元、ドミノ方式による事務室態勢と複数の事務職員を配置することで機動的業務を行う。
参考資料
予算編成の基本原則
1.諸般の社会状況並びに本会の厳しい財政状況に鑑み、節約を基本とした予算を編成する。
2.総予算は、昨年度予算より、縮減された緊縮予算とする。
3.各事業における広告掲載料等の収入は、一般会計の雑収入に組み入れ、その用途については、別途検討する。
4.積立基本金等は、原資を食い潰さない範囲内で一般会計予算に反映する。その用途については、会計年度ごとに検討
する。
5.特別会計の積立基本金については、今後、長期的視点に立ってその用途を検討していく。
6.予算編成に際し、各部署は、予算企画書を事前に会計部に提出する。
7.予算執行に当たっては、事業計画ごとに無駄を省き、常に、効率的、効果的運営と公正にして且つ適正な支出に努め
る。
8.各部署は、昨年度実績より10%削減(努力目標)を目途に予算案を作成する。
会則改正について
1)会則改正が決まるまでの経緯 多年にわたる本会の組織や事業内容等を総合的に点検・改善しようと平成27年9月16日本部内に「業務改善・基金検討委員会」が設立された。委員は、会長が推薦し、本部役員、評議員会、支部長会等から構成された8名の委員が選ばれた。委員会には会長から4つの諮問事項が示された。これに応え、委員会は、1年4カ月、延べ18回の協議を終え、平成28年11月7日、会長に「答申」を提出した。その「答申」を受け、会長は直ちに5名で構成された会長直属の〈作業部会〉を平成29年2月7日に組織し、「会則の全面改正」に着手した。第一回会合は、3月1日(水)に開かれ「答申」の論点整理を行い、平成29年3月30日に会則改正第一次案を作成するに至った。この第一次案は、〈第三回教育フォーラム東京・2018〉のテーマとなり、各支部から参加した180名の会員と業務改善基金検討委員会のメンバーとがパネルディスカッション形式で意見交換をした。その後、各支部から会則改正に関するアンケート調査を実施した。その結果を分析し、第二次案が提示された。素案作成の過程で〈東京都退職校長会の存在すら知らない管理職多くいるが〉という現実。並びに、この10年間、各校種退職者の合計数が平均270名いるにもかかわらず、毎年入会者は30名(入会率10%程度)という実態が浮き彫りとなった。会員激減の主因は、本部も支部も多年にわたり入会条件である〈希望制〉に甘んじていたこと、本部が旧態依然たる募集スタイルを踏襲してきたこと、会員の超高齢化という社会現象に敏感に反応しなかった組織の怠慢さにあるとの結論に至った。さらに、このままの状況からは、数年先には組織衰退に歯止めをかけるには、猛省の上に再興の哲学が生まれることしか道はないとの見解を共有した。
会則改正に至る詳しい経緯(概要)は、以下の通りである。
2)主たる検討会議の経過
(1) | 平成27年9月16日 | 業務改善基金検討委員会の発足 |
◯4つの諮問事項 ①会則を含む業務の改善について ②会員減少に伴う支部組織の在り方について、③基金と今後の用途について、 ④その他、緊急を要する事項
(2) | 平成28年7月25日 | 業務改善基金検討委員会中間報告 |
(3) | 平成28年8月8日 | 同 中間報告への回答 |
(4) | 平成28年11月7日 | 同 「答申」受理 |
(5) | 平成29年2月7日 | 同 作業部会の設置 |
(6) | 平成29年3月1日 | 同「答申」にある会則改正の15項目の論点整理 |
(7) | 平成29年3月30日 | 同 作業部会で会則改正素案を作成 |
(8) | 平成29年5月16日 | 「第二回教育フォーラム東京2017」を開催 |
-テーマ:「答申」から東京都退職校長会の将来像を考える-42支部より116名参加
(9) | 平成29年5月16日 | 同 作業部会-予想される会則改正までの今後の手順 |
(10) | 平成29年8月7日 | 同 作業部会-会則改正についてのアンケート |
(11) | 平成29年9月30日 | 同 作業部会- アンケート調査回収 |
(12) | 平成29年10月10日 | 同 作業部会-会則改正アンケート調査集計と分析 |
(13) | 平成29年10月30日 | 同 作業部会-アンケートに関する支部長の意見集約 |
(14) | 平成29年11月11日 | 同 「会則改正の基本的考え方」を提示 |
(15) | 平成29年12月6日 | 同 作業部会-会則改正第二次案検討・作成 |
-現職の校長を準会員とする(第5条の改正)を決定-
-会則改正の15項目の審議結果を提示-
(16) | 平成30年2月5日 | 同 支部長会に「会則改正案」を提示。説明 |
(17) | 平成30年2月14日 | 同 正副会長会、企画委員会合同会議の了承 |
(18) | 平成30年3月7日 | 同 作業部会-支部長会(2/5)での意見集約 |
(19) | 平成30年4月16日 | 同 作業部会-評議員会で会則改正案の了承 |
(20) | 平成30年5月14日 | 同 定期総会会則改正案提案-全会一致で決定 |
(21) | 平成30年8月31日 | 同 作業部会-プロジェクトチーム提案- |
-内規等の検討に入る-
(22) | 平成30年9月20日 | 同 会員増強促進プロジェクトチーム発足 |
(注)
・業務改善基金検討委員会・・・・・・・・・18回の会合
・業路改善基金検討委員会作業部会・・・・・23回の会合
3)再興の哲学で、現職校長を迎え入れたい。
熟慮に熟慮を重ね、会長見解を平成30年3月6日「会則改正の基本的考え方」を作業部会に提示した。その骨格は、-直ちに入会資格に目を向け、従来からの入会条件の〈希望制〉を根本的に見直し、本会のこれからの会員資格を現職校長に「準会員」という名称を付与し、定年退職後から速やかに会員となるよう「全員加入制」に抜本的改革をする-という革新的提案であった。同時に、現職の校長は、東京都退職校長会の存在すら知らない現実がある。このことは、65 年の歴史を刻んできた本会ではあるが、これまで積極的に各校種の現職校長会に本会の紹介をする足跡はなかったことも明らかである。この現実を踏まえ、「全員加入」を実現するためには、従来の慣行を打破し、時間を要しても会員一人一人の意識改革を求められた。また、新しい会則の発足と同時に、次の約束が提示された。
(1).全会員が組織を通じて各校種を退職する校長先生方に「全員入会」を周知すること
(2).本部と支部とが一体となり、足並みを揃えてこの目標達成に徹すること。
(3).42支部の会員が心を一つにして「抜本的改革への火」を絶やさないこと。
(4).各校種の現職校長会との連携・支援を強めること。
4)改正された会則(総会要項参照)
5) 42支部の支部総会が無事終了。
今年の支部総会への出席は、5月12日(土)の府中支部総会からスタートし、6月30日(土)の港支部総会までの1カ月半を要した。42支部の内、会長が16支部総会に、各副会長が手分けして26支部の支部総会に出席した。本部方針と重要な業務の周知、改正された会則の理解と本部と支部との協調・協力の体制づくりを訴えた。さらには、各支部の現状把握に努めた。ある支部の卒寿を迎えた会員から「常に体を労わること」「食に感謝していただくこと」「よく、おしゃべりをすること」「いつまでも社会に貢献すること」の三つの示唆に富んだお言葉が心に残った。今年も各支部のあたたかな歓迎と行き届いたご配慮に心打たれた。
6)支部長会の報告
支部あっての本部」を基本に、定期総会、会員研修会、教育フォーラム等の行事をはじめ、本部は今まで以上に支部との一体化を推進している。特に、ブロック長会を中心として支部長会の更なる充実を図ってきている。また、各支部長から意見を聞く機会も増やし、支部が抱える懸案事項に対して、緊密な連携を図っている。尚、本年度の第一回支部長会は、去る7月23日(月)に開催された。ここでは、目黒支部長 高橋毅氏、大田支部長 小田部規矩夫氏、武蔵野・三鷹支部 本郷浩之氏、北多摩西支部、鈴木一徳氏、西多摩支部 村野久子氏、神奈川支部 安藤正明氏の新支部長7名が紹介された。また、5ブロックを統括するブロック長も新たに以下の5名が選出された。支部長会の充実した運営と各支部のますますの活性化を期待したい。
•第一ブロック長 岩谷 榮子氏(千代田・中央支部長)-所管地区 12地区 会員数 186名
•第二ブロック長 伊藤 誠一氏(足立支部長)-所管地区 7地区 会員数 458名
•第三ブロック長 本郷 浩之氏(北多摩北支部長)-所管地区 9地区 会員数 432名
•第四ブロック長 村野 久子氏(福生・あきる野支部長)-所管地区 8地区 会員数 1014名
•第五ブロック長 小林 和子氏(練馬支部長)-所管地区 8地区 会員数 717名
7)「会員増強促進プロジェクト・チーム」の発足 と目的
去る9月20日(木)に〈作業部会〉を発展的に解消し、各校種の代表者11名で構成された「会員増強促進プロジェクトチーム」が本会の専門委員会として発足した。この会は、本会の会則改正を機に各校種の現職校長会に対して、一つに「東京都退職校長会の存在と目的を積極的に周知し、現職校長会との関係強化を図ること」。二つに、「本会の会則の周知と入会への啓発を図ること」三つに、「本会の魅力ある事業の紹介と退職後の仲間づくりを進めること」、四つに、「都教委と連携して国際都市東京の教育振興に寄与していること」、五つに、「全連退に加入している東京都を代表する42支部で構成されている教育団体であること」の5つの大きな目的をもって本会の存在意義を高める施策を展開していく組織であり、本会の事業を周知・啓発活動する横断的組織である。この度の会則改正を機に、将来を見据えた「組織再生の大改革」を具体化するこのプロジェクトチームへの期待は大きい。参考までに全面改正された会則の発布は平成31年1月1日からと約束され、その間は、会則の周知期間となっている。組織されたプロジェクトチームの構成メンバーは、以下の通りである。(敬称略)
1.(小学校班)
(1).桐谷 澄男(元、江東区立明治小学校長)
(2).寺崎 千秋(元、練馬区立光和小学校長)
2.(中学校班)
(1).今井 重夫(元、大田区立田園調布中学校長)
(2).前田 烈(元、台東区立忍岡中学校長)
(3).壷内 明(元、港区立御成門中学校長)
3.(高等学校班)
(1).佐治 恒孝(元、都立晴海総合高等学校長)
(2).天沼 照夫(元、都立北園高等学校長)
4.(本部)
(1).多田 丈夫(元、都立国立高等学校長)
(2).宇津木 順一(元、武蔵野市立第四中学校長)
8) 「五団体との教育懇談」開催
去る8月29日(土)、公立の園長、小・中・高・特別支援の「五団体との教育懇談会」が事務局で開かれました。幼稚園・こども園長会会長 田代恵美子氏、小学校長会副会長 種村明頼氏、中学校長会副会長 松丸晴美様、高等学校長協会副会長 上村肇氏ら4名の校長先生の出席をいただき、各団体の当面する教育課題を吐露していただきました。忌憚のない情報交換が行われ、今後の一層の連携強化を約束しました。特に、本会から各団体の平成27年度退職者名簿提出を依頼させていただきました。席上、この機会が本会入会の促進に繋がることを期待し、管理職の環境が変化しようと「本会入会の基準は、60歳定年である」ことを強調させていただきました。この会議の様子は、会報第190号に記載されます。
都との2つの委託業務について
1)都教育庁人材バンク事業運営に伴う相談・普及広報等業務
① 都の方針転換で都教育庁人材バンク事業は、令和2年3月末をもって終了した。
② それに伴い、本会が受託していた本業務も9年間の幕を閉じた。
③ また、この業務の全ての運営を任せられていた「人材バンク受託事業運営特別委員会」は、3月末をもってその任
を終えた。
2)採用前研修事業受託委員会の動き
〈報告〉29年度をもって「採用前実践的指導力養成講座」が終了。
去る9月5日都教委より、『5年間にわたって都教委と東京都退職校長会が委託契約を結んで実施してきた「採用前実践的指導力養成講座」は、平成29年度をもって終了する』と正式に告げられた。主たる理由は「平成25年度から悉皆で実施してきた事業であったが、制度上の課題があって今後、継続することは難しいと判断した。全面的な協力をいただいた東京都退職校長会に心から感謝する」とのコメントがあった。さて、この事業の発端は、平成25年5月15日の都教委での会合に遡る。当時の指導部幹部から『最近の傾向として、採用試験合格者が新地に赴任したにも関わらず、様々な要因から一年を待たず100名近い者が学校を去っている。小学校では着任早々、いきなり学級担任を任せられるケースも多く、大学での講義や教育実習程度の体験だけでは新規採用教師としての勤めは心もとなくなってきた。特に、組織の中でもまれた体験が乏しく、児童・生徒を前に指導に戸惑うケースも増している。また、保護者会や同窓会、地域との会合等の対応に躓く例がかなりあると聞く。これらの実例から学校体験を一日でも早く実施し、学校環境になれさせると共に教師として具体的で、かつ実際的な行動ができるように訓練しておくことが「費用対効果」という観点からもこの事業をオール都庁態勢で実施する』との考えが示された。この深刻な事態を受け、東京都退職校長会が総力を挙げてこの事業を受託したのである。事業の初年度には、公立学校教員採用候補者約2,500名に対して、全校種から1,052名の退職校長が講師として参加した。校長先生方の高い見識と経験の豊かさが存分に発揮された5年間だった。同時に、この画期的な事業を推進した都教委の英断に敬意を表すると共に、本会の綱領が詠う〈国際都市東京の教育に寄与する〉ことのできたことは組織の誇りでもあった。
最後に、この事業の推進役にあたられた各校種代表からなる「採用前研修受託委員会」並びに、この事業に心を寄せていただいた多くの会員各位に感謝し、報告とする。
東京都退職校長会会長
採用前研修事業受託委員会委員長 多田 丈夫